後輩の失恋話
会社の後輩が失恋したそうです。
彼は恋愛経験が乏しく(男子校出身)、初の彼女と付き合うことになった経緯も「余り者同士でくっつけ」と周りから促されたものでした。
それでも彼は彼女にきちんと惚れ込み、いろいろデートを重ねていたようで、逐一その話を仕事終わりなどに聞かされました。
水族館に行ったり遊園地やお祭りに行ったりいかにも若者らしいチョイスだったもんで、
日々のデスクワークでバキバキになった肩こり持ちの僕は遠い日の青春を思い返しつつ、ニヤニヤとおちょくっていました。
報告・連絡・相談のできるできた後輩をもって幸せだよ僕は。
そんな彼は別れた経緯についても報告をしてくれたわけですが。
彼女はその男友達の集まりの中で「彼といるより、こっちの方が楽しい。彼といてもつまらない」と漏らしていた、ラインで別れようと宣言された、と。
どんまい後輩。
だが彼は引き下がった。
「自分のどこがいけなかった?」
アッ…と言いかけるのを飲み込み。
そして彼は何度か聞いたとのこと。何度か…
ちなみに僕の奥さんにも話してみたら同じ反応でしたね。
彼はとんでもなく凹んでいた。始まりが微妙でも彼は立派に恋愛をしていたのです。
僕は優しいので何も言わず、次があるさと励ましましたとさ。
何がいけなかったのか
僕も恋愛マスターというわけではないので偉そうなことはいえないものの
彼女の立場から考えてみると
「そういうところだよ」
の一言に尽きるのではないかと。
しかも「お前といてもつまらない」という証言付き。
・なんとなくつまらない
・別れ際に引き下がる
これを読んでいる女性ならばもちろん察せるとは思う。
彼の報告と彼女の発言から予想できる彼らの様子は思い浮かぶだろう。
デートでも会話が弾まなかった或いは話のテンポが合わなかった、さらに最後は欠点を指摘してもらおうとする。
そりゃ彼にとっては初カノ。男子校育ち、男ばかりの職場、今まで関わってこなかった女の子が自分に笑顔を向けてくれるわけです。
写真を見たんですが彼女はたしかに可愛かった。指原莉乃さんやいきものがかりのボーカルの子に似ていました。ドキドキしないわけがないじゃない。
緊張のあまりいつもの彼が出せなかったのか、出過ぎてしまったのか。
つまらなかったというのであれば無口過ぎたのでしょう。
そんな緊張して無口になっちゃうほど可愛い彼女と別れたいわけがないんです。引き下がりたい気持ちはわかります。
そしてちなみにいうと彼はは少し小柄。最近の背の高い女性と同じくらいと、男としてはかなり悔しい身長。
仕草もなんとなく雄々しいとは言い難いもので、気持ち悪い言い方をすると彼はちょっと愛嬌があるんです。
学生時代はかわいい、女子か、とからかわれた経験がありそうと想像できる雰囲気。わりとナチュラルに「〜だもん」とかいう。
思えば彼の所作は優しいのです。それが彼の長所とも言えるのですが、裏を返すと女々しさを感じる。
そんな彼が「自分の何がいけなかったか」と問いてしまった。
「女々しい」
というより未練たらしい、とも言えます。
僕はこれを指摘するべきだったのでしょうか。飲み会あったら言ってみようか。
要するに彼は「恋に恋する乙女」だった。精神的にも、所作的にも。
男友達もいてポテンシャル的には彼女が上ではあるけれど、彼氏となると女性はリードしてほしいはず。恋に恋するドギマギ乙女男子なぞ、一緒にワイワイできる男友達にかないっこありません。
好みのタイプは一緒にいて楽しい人、面白い人、なんてよく聞く話ですしね。
まあ苦い思い出も今後の彼にとってはプラスになるのではないかと、おじさんは思うのでした。
まあいうても
別れ際のこの質問、したのが女性だろうが男性だろうが正直うざったいかなと思いますけどね。
聞かれた側には相手のために状況を説明するリソースを割く義理なんてもうないという認識です。
「そういうとこだよ!!」と怒らなかった彼女はきっと良い子なんだろうと思いを馳せるのでした。
別れようからは「なんで?」まではまあいいとして、その続きを聞いてしまうとヘイトが溜まっちゃうよね。もう一気にため息ものです。面倒だし。
こう言った場面は別れ際以外にも多くありますね。
奥さんに何度かキレられた経験が…僕も気をつけなきゃね。